蓮華童子の日記(第2版)

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

十一面法~第四座

十一面法を修法。

昨夜帰宅して、自宅PCのメールボックスをチェックしました。平日は見ていないので「週末恒例の行事」となっています。。💦

DMなど雑多なメールの中に、前職OBOG会事務局のSさんからメールが入っていました。Fさんが亡くなったというものでした。享年6〇歳とのことなので、私とほぼ同い年です。

このFさんですが、自分の記憶が正しければ、「あっ、あの方か?!」です。その前提で思い出を記したいと思います。

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私と仕事上では直接の接点はなかったのですが、執行役員のお一人でした。今からもう10年くらい前だったと思いますが、ロシア案件の契約書にサインして頂いたことがありました。

当日は署名権限者がほとんど出払ってしまい、そのFさんのみが居留守役だったわけです。契約期間が失効する直前で、その日のうちにサインしてもらい、ロシア側に送付しなくてはならないタイミングでした。それが遅れれば、現地側の作業が滞るリスクがあったのです。

数十ページからなる(しかも英露併記)契約書なので、実際のところ、概要説明もままならず、「大丈夫です!!」とか言いながら、サインをお願いした記憶があります。

そのF役員がたまたま近くにいた同僚の方に、「もう、こんなのにまでサインさせられちゃってさあ~」とボヤいておられたことを、その表情とともに鮮明に覚えています。失礼ながら、糸みたいに細い目の、ご自身のその目じりをさらに下げて、エヘヘって感じで…(笑)。

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往昔より、十一面観自在菩薩を祈る人には「十種勝利(現世)と四種果報(来世)」の利益があることが広く知られています。

後者の場合、

① 臨終の際に仏を見る

② 地獄に堕ちない

③ 屍を獣に害されない

無量寿国に生まれる

という4つの果報があり、十種勝利の「現世安穏」に対して、この四種果報を「後生善処(ごしょうぜんしょ)」と呼んで、十一面観自在菩薩の信仰なかで、とても大切に伝えられたものです。

本日の一座を修行するなかで、従い、そのような当時の思い出が、まさに沸々と脳裏に蘇ってきた次第です。

前述のようにご担当された部署が違うこともあって、直接の仕事上の関係はありませんでしたから、Fさんご自身は私のことはご記憶にないのではないかと思います。

一方、「袖触れ合うも他生の縁」との譬えもあるよう、置かれている立場によっては、どちらかが一方的に覚えていたりすることもあるのかも知れませんーーー、この私のように。

ともあれ、十一面観音さまを拝んで、亡くなられたFさんの後生善処とともに、仏果菩提を心静かにお祈り致しました。

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「南無十一面観自在菩薩」

「南無大師遍照金剛」

合掌